胃カメラ検査のよくある質問
胃カメラ検査を受けた方が良いのはどんな時ですか?
胸焼けがひどい、胃がキリキリ痛む、胃がいつももたれているなどの症状が続いている場合、胃カメラ検査をお勧めする場合があります。その他、特にはっきりとした症状がなくても、胃がんなどの早期発見のために生活習慣病のリスクが高まる40歳過ぎからは定期的に胃カメラ検査をお勧めしています。また、血縁に胃がんを患った方がいる場合は、40歳になっていなくても、定期的に胃カメラ検査を受けていただくことを推奨しています。
早期胃がんの診断には、バリウム検査と胃カメラ検査のどちらが良いですか?
バリウムは、X線検査であり、すでに進行したがんは発見しやすいのですが、早期の病変や十二指腸の病変は画像精度的になかなか発見しにくいものがあります。一方、胃カメラ検査は、医師が直接内腔を観察できるため、早期がんなどの病変を発見しやすい検査となっています。また、胃カメラでは、疑わしい部分のサンプルを採集して病理検査で確定診断を行うこともできます。どちらの検査もうまく使い分けることが大切ですが、40歳を過ぎたら定期的な胃カメラ検査をお勧めしています。
以前、胃カメラ検査で辛い思いをしました。楽に受ける方法はありますか?
まずは緊張を解いてリラックスしていただくことが大切です。身体に余分な力が入っていると、かえって苦痛が増しますので、できるだけ気分を楽に検査を受けてください。
それでも緊張してしまうという方には、鎮静剤を使用して、うとうととした状態で検査を受けていただくことをお勧めしています。この場合、ほとんど寝ている状態ですので、目覚めて「え、もう終わったの?」とビックリされる方もいらっしゃるほどです。
また、検査のみの場合は、鼻からスコープを挿入する経鼻内視鏡検査を選択することも可能です。舌の付け根の吐き気を催す部分をファイバーが刺激しませんので、苦痛の少ない検査となっています。
ピロリ菌の検査はどのタイミングで受ければよいですか?
ピロリ菌は、胃炎を頻発させ、胃潰瘍の原因となります。こうした疾患は胃がんのリスクも高めてしまうため、できるだけ若いうちにピロリ菌感染の有無を調べておくことをお勧めしています。なお、ピロリ菌感染の有無は胃カメラ検査の際にも行うことができます。ご不明点等ございましたら、お気軽にご相談ください。
ピロリ菌は除菌した方が良いですか?
ピロリ菌は、感染したままにしておくと胃がんのリスクが上昇するとされています。また、日本の胃がんの98%はピロリ菌感染に起因しているという報告もあります。ピロリ菌に感染していることが判明したら、できるだけ早く除菌治療を受けましょう。
ピロリ菌の除菌方法を教えてください。また、除菌したピロリ菌が再発することはありますか?
一次的な除菌では、胃酸を抑える胃薬と2種類の抗生剤のピロリ菌除菌セットを1日2回、7日間続けて服用します。服用を終えて2か月経過した後、呼気検査で除菌が成功したかどうかを確認します。最初の除菌治療で9割程度の方は除菌に成功しますが、失敗した場合は2度目、それでもだめなら3度目と繰り返し別々の除菌薬の服用を行います。
除菌成功後の再感染はほとんどありません。
ただし、除菌に成功したからといって、胃がんのリスクがなくなるわけではありませんので、定期的に胃カメラ検査等を受診していただくことをお勧めしています。
ABC検診とは何ですか?
ABC検診は、将来の胃がんリスクを、胃粘膜の萎縮の程度とピロリ菌感染の有無から、リスクの程度に応じてA~Dの4段階に分類して判断するものです。
4つの段階それぞれに応じて、適切な検査やその後の治療への指針を決定する基準となる有用な検査として、当院でも積極的に採り入れており、受診をお勧めしています。
大腸カメラのよくある質問
大腸カメラ検査はつらいと聞いたのですが大丈夫ですか?
大腸は、全体がしわやひだに覆われているため、検査の際、曲がり角に検査機器があたったりします。そのため、大腸カメラ検査では、しわやひだを伸ばして腸壁をしっかりと観察していきます。しかし、それに伴って苦痛を訴える患者様もいらっしゃいます。苦痛の感じ方は患者様それぞれで異なりますが、当院ではできるだけ患者様の苦痛を低減し、リラックスして検査を受けていただけるよう、最新の機器を導入し、気体として人体に吸収されやすい炭酸ガスを使用するなど工夫の上、内視鏡操作に熟練した院長が直接、軸保持短縮法という高度なテクニックによって検査を行っております。また鎮静剤の使用も積極的にお勧めしておりますので、安心して受診していただけます。
大腸カメラ検査前の下剤を飲まない方法はないのでしょうか?
大腸カメラ検査時に腸内に食物の残りカスなどがあると、正確な診断の妨げとなってしまいます。そのため、下剤などによって腸内を空にしておく必要はあります。当院では、下剤の服用は大腸カメラ検査時の苦痛のひとつでもありますので、患者様の体質やご希望に応じて様々なタイプの中から選択できるようにしております。
なお、検査の数日前から消化の良い食事を心がけていただくことで、腸内の残留物が少なくなり、飲む下剤の量を減らすことが可能ですので、ぜひお試しください。
下剤を服用中に注意することはありますか?
下剤を飲んでいる間に、腹痛や吐き気が起こり、気分が悪くなってしまった場合、ただちに服用を中止して、当院までご連絡ください。また、その後も症状が継続するようであれば、必要な処置を行いますので、再度ご連絡ください。
下剤を服用した後のクリニックまでの移動が心配です
当院でお出ししている下剤は、服用完了後数時間で便が水のように澄んで、残りカスがなくなるころには、効果が落ち着き、その後は特に便意を感じることが少ないのが特徴です。
そのため、当院では院内で下剤を服用できるスペースをご用意しております。下剤に不安のある方や初めての方は遠慮なくお申し出ください。
ポリープを発見したらどのように処置をしますか?
大腸ポリープは、形や色などによって良性のものと悪性に変化する可能性のあるものに鑑別できます。そのため、当院では悪性になる可能性のあるポリープはできるだけ当日その場で切除してしまい、その後の悪性化を予防するように心がけております。
切除したポリープは、病理検査を行い、後日結果をお伝えします。
なお、ポリープの数が多すぎる、大きくなりすぎているといったケースや、がん化がかなり疑わしいケースでは、早急に処置が可能な提携する高度医療機関を紹介しております。
ポリープ切除後に注意することはありますか?
ポリープを切除した術痕には止血クリップなどで処置をすることがありますが、合併症としては患部からの出血、腸穿孔などが考えられます。切除の難しい深いポリープ、大きいポリープなどは、通常、高度医療機関へ処置を依頼するため、院内での処置でこのような合併症はほとんど起こりません。しかし万全を期すため、術後しばらくの間は、飲酒や腹圧のかかる激しい動作などはお控えいただくようお願いすることがあります。
大腸カメラをすると、生命保険が下りると聞きましたが、本当ですか?
大腸ポリープの切除は、「内視鏡的大腸ポリープ粘膜切除術」という手術に相当します。そのため、ご加入されている生命保険や医療保険によっては、「手術給付金」などの名目で保険金の支払い対象になっていることがあります。詳細はご加入されている保険会社の窓口へお問い合わせください。
酷い便秘症ですが、大腸カメラ検査はできますか?
当日の朝に服用する下剤は、一般のものと異なり、かなり排便効果の高いものです。そのため、便秘症の方でも下剤を服用していただくことで大腸カメラ検査を受診していただくことが可能です。初診の際などにご相談いただければ、それぞれの患者様に合わせたタイプの下剤を処方いたします。また当院では便秘治療も行っておりますので、併せてご相談ください。
便潜血検査で陽性でしたが、再検査で陰性だったので経過をみてよいですか?
腸管に異常があったとしても、常に出血しているわけではありません。特に便潜血は肉眼で判断できない出血を発見しますので、再検査で陰性だったからといって、病変がないことにはなりません。一度でも便潜血が陽性になったことがある方は、大腸がんなどの早期発見や予防のためにも、お早めに大腸カメラ検査を受診することをお勧めしています。現在では、内視鏡検査も辛くしんどいものではなくなってきていますので、ためらわず、ご相談ください。
大腸カメラ検査は生理中でも受けられますか?
検査着は肛門部以外を覆う状態になります。タンポンを装着していただく、あるいはナプキンを当てたまま検査を受けていたくことが可能です。また検査の説明は女性スタッフが行いますので、心配なことがありましたらその際にご相談いただければと思います。
妊娠中や授乳中でも胃カメラ検査や大腸カメラ検査を受けられますか?
妊娠中の内視鏡検査は、上部(胃カメラ)でも下部(大腸カメラ)でも、母子ともに刺激になってしまう可能性がありますので、避けてください。どうしても検査が必要な場合は、高度医療機関を紹介させていただいております。
また授乳中の検査は可能ですが、麻酔薬や鎮静剤などを使用すると、母乳を通して赤ちゃんに影響がでる場合がありますので、検査後1日ほど母乳を中止していただきます。授乳の中止が難しい場合は、鎮静剤なしの検査であれば受診可能です。ご相談ください。
血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)を飲んでいるのですが、内視鏡検査は受けられますか?
抗血栓薬は中止してしまうと、心筋梗塞や脳梗塞などを起こしてしまう可能性があります。そのため当院では抗血栓薬を休薬せずに内視鏡検査を受診していただいております。服用されているお薬の種類によっては、ポリープの切除も可能ですので、お薬手帳とともに医師にご相談ください。